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歯周病のよくある質問の解説

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歯周病のよくある質問

歯周病のよくある質問

  • 歯周病手術ってどんな内容ですか?
    • いくつか種類がありますが主に再生療法と呼ばれる手術でエムドゲインやGTR法が挙げられます。内容は失ってしまった歯周組織を再生させるため治療患部に組織再生用のタンパク質や人工膜を添付し組織を再生させるのが目的です。詳しくはお近くの歯科医院にて確認してください。

  • もし歯周病で歯が抜けてしまったら?
    • 入れ歯やブリッジなどによって抜けた部分を補えますが、噛みづらさや他の歯への負担を考えるとインプラント治療をおすすめします。インプラントとは抜けた箇所に人工の歯根を埋め込みその上に人工の歯を取り付ける治療法です。人工の歯根が顎の骨に直接刺激を与えるため歯茎が痩せることもなく実際に自分の歯で噛んでいる感触が実感できます。詳しくはお近くの歯科医院にてご相談ください。

  • どのような人が歯周病にかかりやすいですか?
    • 勿論、歯ブラシを行わなければかかります。あとは普段から柔らかい物ばかり食べていたり偏食が多かったりといった食生活や、睡眠不足、ストレスなどでも体の免疫力を低下させ歯周病にかかりやすくなります。食生活はもちろん生活習慣も規則正しく過ごす事が予防に繋がります。

  • 歯周病はうつったりもするのですか?
    • 歯周病は歯茎に細菌が感染する病気なのでキスなどでうつってしまうことは十分にありえます。自分にとって大切な人に病気をうつさない為にもしっかりと歯周病予防を心がけましょう。赤ちゃんへの感染もありますので、冷ますために「ふーふー」するのは止めましょう。

  • 口臭は歯周病と関係がありますか?
    • 口臭は口の中の原因が大きく関係しているため歯周病の疑いが考えられます。主な原因として歯垢や歯石挙げられます。日頃からのブラッシングで常に歯垢を除去し口の中を清潔に保ちましょう。

  • 歯周病になるとどういった症状がでますか?
    • まず、ブラッシング時に歯茎から出血が見られ、そのうち歯茎が下がりだし炎症が始まり膿みが出だし、歯もぐらつき始めます。症状が多く出始める前に歯科医院で診てもらいましょう。

  • 歯周病とは、どんな病気ですか?
    • 歯周病とは歯と歯茎の間に細菌が入り、自覚症状のないままに進行し最後には歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。最近では全身疾患との関係も指摘されています。日頃からのブラッシングで防ぐ事もできますが。症状に応じてお近くの歯科医院で診てもらいましょう。

  • 歯周病の治療法について教えてください。
    • 歯周病の治療

      歯垢(プラーク)や歯石を取り除き、歯ぐきの炎症を抑えるための処置です。

      毎日の適切なブラッシング

      具体的には、適切なブラッシングを毎日行ってもらいます。歯ブラシを当てる角度に気を付け、均等に磨くのではなく磨きづらい所(奥歯や歯が重なっている所)を意識的に回数多く、磨いて下さい。炎症がある歯ぐきは適切なブラッシングをすると通常出血しますが、続けてもらいます。

  • 歯周病の進行状況について教えてください
    • 歯周病の進行状況

      歯肉炎
      歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に歯垢と呼ばれる病原菌の塊が付きます。歯ぐきは多少腫れることもありますが、まだ周りの骨には影響ありません。

      歯周炎(軽度)
      歯垢から硬くなり歯石に変化し、歯周ポケットの内側へ進入していきます。それに伴い歯周ポケットが深くなり、歯を支えている周りの骨も吸収していきます。

      歯周炎(重度)
      歯を支えている骨の吸収が著しく、患者さん自身が自覚できるほど歯がぐらつきます。場合によっては歯ぐきから膿が出てきます。最終的には抜歯をすることになってしまいます。

  • 歯周病のチェックについて教えてください。
    • 歯周病のチェック

      ここで歯周病のチェックをしてみましょう。

      朝起きたとき口の中がネバネバする。
      ブラッシング時に出血する。
      口臭が気になる・歯肉がむずがゆい・痛い。
      歯肉が赤く腫れている。
      硬いものが?みにくい。
      歯と歯の間に物がよく挟まる。
      歯が長くなったような気がする。
      前歯が出たり、歯に隙間ができた。
      当てはまるものはありませんか?

      どうして歯周病が全身疾患と関係があるのでしょうか?
      歯周病は口腔内の病気ですが、全身との間には血管という通路があります。そこを介して歯周病局所で産生された様々な物質が血中を介して全身に流れていくと考えられています。

  • 歯周病解明について教えてください。
    • 歯周病解明

      歯周病とはどのような病気か?

      歯周病(歯周疾患)には歯周組織に生じるいろいろな病気が含まれますが、そのほとんどは歯垢(プラーク)中の細菌によってひきおこされる炎症性疾患、すなわち歯肉炎と歯周炎よりなります。歯周炎はムシ歯(う蝕)とならんで歯がなくなる二大原因の一つとしてあげられ、とくに成人期以降では最も重要な位置を占めています。以前は、加齢とともに歯槽膿漏になって一本または一本と歯がなくなり最後は入れ歯になると考えられていましたが、膨大な疫学的調査や基礎、臨床研究の結果、歯肉炎や歯周炎を予防したり治癒させたりすることができるようになってきました。

      歯肉炎、歯周炎はプラーク中の細菌からの有害物質によってひきおこされることが明らかにされ、最近では原因菌の同定も進められています。歯肉炎、歯周炎の治療には細菌の除去(プラークコントロール)とともに歯石や歯列不正、不良充填物などおもに歯垢の沈着を促進する局所的な原因の除去と全身的因子の管理が必要となります。ここで重要なことは、歯肉炎、歯周炎の予防や治療には、歯科医院における歯科医や歯科衛生士による処置にもまして、個々の患者さん自身による日頃の管理や治療への協力が大切であるということです。そのためには正常の歯周組織がどのようになっており、病変が生じるとどのように変化するのかを理解しておくことが重要です。

      歯と歯周組織の外観

      健康な歯肉は光沢のあるピンク色で適度の硬さと弾性を有しています。歯肉の外形は歯の位置や形によって決まり、歯と歯の間の部分(歯間乳頭)では先の尖った楔状となっています。歯肉の大部分(付着歯肉)は歯肉の下にある骨としっかりと結合して指で押してもあまり動きません。歯肉の表面にはところによってスティップリングと呼ばれる小さなくぼみが見られることもあります。歯と歯肉は密接にし、その境目には歯肉溝と呼ばれる浅い溝があるのみで、歯垢や歯石の沈着もほとんど見られません。付着歯肉の幅は個人や部位によって異なります。

      歯肉炎になると歯肉は暗赤色となり種々の程度に腫脹することのより、歯と歯肉の境目に深い溝(歯周ポケット)ができます。歯面には歯垢や歯石が付着し、ポケットからはしばしば出血や排膿がみられます。

      さらに病変が歯周炎にまで進行すると、より深部に歯周組織が壊され歯と歯肉や骨との結合が失われます。その結果、歯肉が下がりしばしば歯根が露出して、一見歯が伸びたように見えます。歯肉は暗赤色で腫脹したり逆に萎縮したりします。歯と歯肉の境目には組織の破壊による深い溝(歯周ポケット)ができ、排膿や出血がみられます。露出した根面には普通大量の歯垢や歯石が付着しています。歯は動揺し、高度に組織破壊が進行すると歯が脱落することもあります。

      歯肉をはがしたときの骨や歯根の状態

      健康部では歯冠と歯根の境目近くまで歯槽骨が歯根をしっかりと取り囲んでいます。骨の表面は平坦で、吸収像はありません。歯と歯肉は密接しているので、歯肉剥離表面には歯石や歯垢の付着は見られません。 歯肉炎になった部分では、歯肉をはがすと歯肉ポケット内に種々の量の歯垢や歯石が付着しています。しかし歯肉と歯根の付着はあまり破壊されておらず、骨の変化もほとんどみられません。

      一方、歯周炎になった部分の歯肉をはがすと、歯槽骨が吸収され、歯根が種々の程度に露出している様子が明らかに分かります。歯周ポケットに面する歯面には、複雑な歯根の形態に沿って歯根の凹面や根分岐部の裏面にまで大量の歯石や歯垢が付着しています。吸収された骨面は一般に粗くなっていますが、吸収の仕方や程度は個々の歯や根面で異なり、場所によっては水平性に骨が吸収されたり、歯根に沿って垂直性に楔状の骨吸収がみられたりします。骨の吸収状態はレントゲン像とよく対応し、炎症によって骨がなくなった部分はエックス線が透過し黒い影として認められます。

      歯と歯周組織の断面

      健康部では歯肉が歯周組織表面を構成し、深部組織を保護しています。歯肉は接合上皮といえる未熟な上皮で歯面に付着するとともに結合組織中のコラーゲン繊維によって歯(セメント質)や骨と強固に結合しています。歯は歯槽骨内に歯頚部近くまで埋まり、歯と歯槽骨間には歯周靭帯(歯根膜)とよばれる薄い結合組織が介在しています。歯周靭帯は歯と骨の結合のほか咬合力の緩衝や感覚、栄養、恒常性の維持など大切な機能を担っています。

      歯肉炎になった部分では歯肉結合組織に血管の拡張や水腫、炎症細胞浸潤などがおこります。炎症性滲出による歯肉の腫脹や接合上皮の一部が破壊されることによって、歯と歯肉の間に歯肉ポケットが形成されます。ポケットに面する上皮(ポケット上皮)にはびらんや歯肉結合組織内に側方増殖がみられますが、接合組織根尖側端の位置はセメント・エナメル境付近に留まっています。炎症は歯肉に限局し、深部の歯周靭帯や歯槽骨の変化はみられません。

      歯周炎になると、炎症にともなう組織破壊が深部に広がり、歯周靭帯の断裂や歯槽骨の吸収像がみられるようになります。接合上皮は根面に沿って深行増殖するとともに、歯垢に近接する部位では歯面から剥離し、深い歯周ポケットを形成します。ポケット内には大量の歯石や歯垢が付着し、ポケット上皮はばらんや潰瘍を示します。ポケットに近い部分では多数の好中球が浸潤し、膿となって排出されます。

      しくみ

      腫れたり膿んだりするしくみ

      歯と歯肉との間の小さな隙間にも細菌がおり、強固にくっついています。その細菌が数を増したり、より強力な菌が入ってきたりすると、身体の免疫機構が働き始め血管が拡がり、中から液体の成分や好中球が出てきます。そのために歯肉は赤く腫れてくるのです。好中球は細菌を食べて殺す働きをもっていますが寿命があり、働いた後やがて死んでしまいます。その残骸が膿みです。

      歯ぐき(歯槽骨)が壊されるしくみ

      免疫機構にが十分働かないと、細菌の作用によって歯周組織は無抵抗のまま速やかに破壊されてしまいます。免疫機構が正常に働く場合は防御反応としての炎症が起こされ、その結果として細菌の侵襲をある程度防ぐことができます。しかし、この狭い隙間の細菌を駆逐することは容易ではなく、細菌と免疫機構の長い長い戦いが続きます。その結果、戦場となった歯周組織の歯周靭帯(歯根膜)や歯槽骨等の破壊をともなうことになります。

  • 歯周病の原因について教えてください。
    • 歯周病の原因、それは口の中の細菌です。では歯周病菌とは何なのでしょうか?
      口の中には300~500種類の細菌が住みついています。その中で歯周病を起こすような細菌は限られています。
      一口に歯周病菌といってもそれは一つの細菌ではありません。歯周病菌は何種類もあるのです。これらの細菌は嫌気性菌と言われ空気との接触を嫌う菌です。口の中が不潔の状態になると歯の周りにこれらの細菌が集まり、細菌の巣を作ります。この細菌の巣をプラークと言います。
      歯周病菌は歯の周りでしか生存できません。だから歯の周りに縄張りを作りたがります。そして束になって数を増やそうとします。

      歯周病菌は細胞膜そのものに毒を持っています。その毒素を内毒素といいます。
      歯周ポケットに住みついている細菌は全部、内毒素という毒素を持っています。この毒素は歯周病菌が構成されている成分、そのものなのです。菌体が死んでしまおうが壊れてしまおうが、その内毒素の毒性は変わることはないのです。むしろ細菌が壊れてしまっても内毒素は小さくなってさらに歯周ポケットの中から私達の体の中に入り込みやすくなってしまうわけです。そしてその内毒素は熱を上げる、骨を溶かす、さらに私達の体の免疫を介していろいろな障害に関わってきます。

      日本人は、歯周病の患者さんが多いと言われています。
      平成17年度歯科疾患実態調査の結果から見ますと、全体から見ますと7割の人が罹患していますが、35歳から64歳未満の年齢層では8割の人が罹患しています。
      歯周病は、歯が抜ける最大の原因ですが全身に発展する可能性があります。この歯周病は体のイエローカードと言われています。

      抜歯の主原因

      抜歯の原因では歯周病とう蝕(むし歯)によるものが大多数を占めています。抜歯原因の第一位が歯周病であり、成人の多くが歯周病によって大切な歯を失っているのです。

  • 健康を脅かす歯周病について教えてください。
    • 様々な病気との関連性を指摘されている歯周病の怖さと、その治療の研究の最前線をアメリカと日本で取材しまして皆様に理解を深めていただこうと・・・歯周病の怖さを最近になってようやく認識はされてきたものの、どうも軽く考えられているのが現状です。
      歯周病は徐々にそして静かに進んでいき痛みがないというのが特徴です。ですから痛くなった時にはもう手遅れだということが多く、残念ながら痛みがないと患者さんもなかなか来院されませんし、気付いた時には重症になってしまう、非常に怖い病気です。

      歯周病と全身の病気との関係

      口の病気である歯周病と全身の病気との関係についてお話しましょう。
      歯のケアをしないと体の他の部分に様々なそれも深刻な病気が起こる事が明らかになっているのです。例えば歯周病や口の中の感染症は糖尿病や心臓血管病、肺の感染症そして早産などと関係していたのです。これらの病気はみな深刻なもので時には死に至るものもあります。勿論、日本でも例外ではありません。なぜなら日本人の成人の8割が歯周病や歯ぐきの病気にかかっている事が明らかになっているからです。
      しかし歯周病は、多くの人が大した病気ではないと考えています。歯がなくなっても入れ歯やインプラントで間に合いますからね。しかしその考え方は間違っています。歯周病が皆さんの健康にとってどれほど危険かを説明していきましょう。

      歯周病とは

      歯周病は、口の中の病気と考えられていますが、そうでもないのです。頭のてっぺんから爪先まで体の全身と深い関係が明らかになってきました。時には死に至ることもあると言われています。
      歯は歯ぐきと呼ばれている歯肉・歯槽骨・セメント質・そして歯根膜の4つで構成される歯周組織で支えられています。
      歯周病とは、この歯周組織に起こる炎症や病気全体のことを言います。歯肉の炎症を歯肉炎、そして炎症がさらに進んで歯肉より深い部分で起こるものを歯周炎と言います。

  • 歯周病と喫煙について教えてください。
    • 学生時代に先生がしきりに言っていました。
      「タバコは何も良いことはない。何で気持ちが良いかと言うと、脳が酸欠になるから気持ちが良いのだ。もしも吸いたければ首を絞めれば同じ状態だ」と。
      冗談を交えた先生のお話ですが、専門的に歯科を学んでいき納得させられました。

      タバコを吸うと毛細血管が収縮し血流が悪くなります。歯ぐきが貧血を起こし、歯を支えている組織も傷み歯にも悪影響が出てくるのです。長年の喫煙によりニコチンやタールで口の粘膜が過敏になります。ニコチンにより色素が沈着し、歯肉が黒くなってきます。
      タバコを吸うと高血圧の人達が飲んでいる薬(降圧剤)が思うように利かないことがあり肺癌のリスクも高まります。妊婦は早産の危険性が高まります。
      タバコ1本につきレモン1個分のビタミンが失われていくのです。

      最近、喫煙者の肩身も狭いと思います。レストラン、空港、駅、新幹線、ホテルなどいたるところに制限がされています。喫煙者本人もさることながら、パッシブ・スモーク(受動喫煙)が問題になっています。自宅でもベランダに出てタバコを吸うので外から見るとホタルのように見えるので、ホタル族と言われています。
      喫煙場所が減ったこととタバコの値上げなどで喫煙率が減少しています。
      食後の一服のために大事な歯を失ってしまうのです。これをやめるくらいなら、死んだ方がましだとおっしゃる人もいますが、本当にそうなってもよいのでしょうか。

  • 歯周病とがんについて教えてください。
    • 衝撃的なニュースが飛び込んできました!
      2008年5月27日に歯周病とがんに関連性がある事が発表されました。
      様々な病気と関連のある歯周病!これまでにも歯周病と肺炎・歯周病と骨粗鬆症・歯周病と糖尿病・歯周病と心筋梗塞・歯周病と早産・歯周病とメタボリックシンドロームと報告されていました。
      今回、歯周病によりがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が明らかになりました。インペリアル・カレッジ・ロンドンのドミニク・ミショー博士らが専門誌に発表されたのです。

      歯周病歴のある男性医療専門家を対象にした長期研究で、がんを患う可能性が全体的に14%高いことが判明しました。論文では「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」報告されています。
      死因のトップであるがんとの関連性が報告されて今後の歯周病予防対策がより一層重要となってきました。

      死因
      1位 悪性新生物(がん)
      2位 心疾患
      3位 脳血管疾患
      歯周病は全身疾患の一部です。歯周病が恐ろしいのは、歯周病が起きた背後に、全身の様々な疾患が隠れているという点です。頭痛、便秘、不眠、冷え性といった症状から、動脈硬化、肝硬変、糖尿病、腎臓疾患、貧血まで実に多岐にわたります。つまり、歯周病=骨が溶けるような人は全身的にも病んでいる、病んでいるから骨が溶けると考えられ、"歯周病は極めて悪い状態にある身体の赤信号である"、といえます。
      歯周病も免疫病の一つです。歯茎が弱っている方は免疫力も落ちていますので、がんとの関連があると考えられています。

  • 歯周病と心内膜炎について教えてください。
    • 歯周病菌が血液中に入る

      歯周病で炎症を起こした歯肉には、多くの細菌(微生物)が接しています。プラーク1ミリグラムには億を超える数の微生物がいて、唾液1ミリリットルにも10億以上の微生物がいるといわれています。

      これをもとにすると、歯磨きをサボったり歯周病がある人の口の中には、何千億以上もの微生物が住み着いている、と考えられるのです。
      歯肉が炎症を起こすと、歯周ポケットの内面が潰瘍の状態になるので、歯周病菌が歯肉中に入り込みます。歯肉中に侵入した細菌や細菌が産生した有害物質が血液中に流れ込みます。これらの細菌や細菌由来の物質が血管を通って全身に運ばれ、さまざまな病気を引き起こすことが最近わかってきました。
      歯周病と心内膜炎と関係があるということもいわれています。私たちの心臓には弁があり、その弁膜付近に微生物が付着して増えると感染性心内膜炎になります。

      心臓弁膜症など心臓の弁に障害がある人、人工弁を入れている人などでは、弁の周りの血液の流れがスムーズではなく滞っている場合があり、このような血液が停滞している部分では、血液中に入り込んだ細菌が心内膜に定着して増殖しやすく、定着増殖した細菌によって、細菌性心内膜炎が引き起こされる可能性が高くなります。
      この細菌性心内膜炎で亡くなった方の心臓から、歯周病菌が検出されたことから、歯周病と細菌性心内膜炎が関係していると考えられています。

  • 歯周病とメタボリックシンドロームについて教えて。
    • 生活習慣病

      生活習慣病が急増しています。 この数年、特に問題視されるようになったのはメタボリックシンドロームです。内臓に脂肪がたまり過ぎている上に、血清脂質、血圧、血糖値の異常が二つ以上重なった状態で、動脈硬化の発症・進行を相乗的に速め、心筋梗塞や脳梗塞などの引き金になります。

      生活習慣病には多くの種類がありますが、一つの病気を持っていると他の病気も併発しやすいのが特徴です。病気がかなり進行しないと自覚症状も出てきません。しかし長期にわたって放置していると、生死にかかわる深刻な合併症を招き、運良く一命をとりとめても重い障害が残ることが少なくありません。
      歯を支える歯周病も生活習慣病の一種です。病気が歯肉にとどまっている歯肉炎、歯根のセメント質や歯根が埋まっている顎の歯槽骨、この二つを結ぶ歯根膜まで広がった歯周炎に分類できます。発症、進行には様々な生活習慣の乱れが関与しますが、例えば喫煙習慣があるとリスクは2~8倍に高まります。
      ただし、歯周病の直接的原因はポルフィノモナス・ジンジバーリス菌など、歯周病菌と呼ばれる様々な種類の嫌気性菌です。これが歯と歯のすき間、歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)に無数にたまり、プラーク、バイオフィルム、歯垢などと呼ばれる固まりとなって歯周組織を脅かしていくのです。

      通常、歯周組織の健康は免疫機構で守られています。しかしプラークが長期間こびりついたままだと、その刺激で歯周組織に炎症が起こってきます。この状態がさらに長く続くと、体内で歯周組織の破壊に関わるIL-1,TNF-αなどの生理活性物質が大量に分泌され、やがて歯を抜かなければならない羽目に陥ります。
      つまり、歯周病の一番の原因はプラークなのですが、そこに生活習慣の乱れ、さらに体質的要因なども加わって発症・進行するのです。歯周病には成人の約8割がかかっていると推測されています。その意味で、歯周病は患者数が最も多い慢性感染症であり、生活習慣病であるといっていいでしょう。

      歯周病と肥満

      歯周病が近年注目されているのは、それだけが理由ではありません。国内外の様々な疫学的調査によって他の多くの病気とも密接に関係していることが分かってきたからです。このため歯周医学という学際的な学問領域が生まれ、歯周病と全身の病気の関係が活発に研究されるようになりました。
      特に関係が深いのは糖尿病です。例えば、糖尿病があると唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなります。逆に歯周病が進むと大量のTNF-αが分泌され、インスリンの効きを悪くして糖尿病を発症・進行させる恐れが出てきます。

      歯周病は肥満が進むほど発症しやすいという報告もあります。脂肪組織はTNF-αを盛んに分泌するので、歯周病、糖尿病、肥満は相互に深く関係し合っていることになります。ほかにも歯周病は心臓病、肺炎など多くの病気にかかわり、最近では早産や未熟児出産との関係も指摘されるようになっています。

  • 歯周病と早産について教えて。
    • 歯周病が次の世代にまで影響を及ぼすということです。
      早産とは赤ちゃんが早すぎる時期にしかも体が小さすぎる状態で生まれてくることです。そのような赤ちゃんには様々な病気にかかる危険性があるのです。きちんと呼吸ができなかったり、脳に障害があったり、目が良く見えなかったり、そして早産をした女性は健常児を出産した女性に比べて歯周病にかかっている事が多かったのです。これまで何千人もの女性を対象に歯周病と早産が関連があるかどうか調べられてきました。そして歯周病に罹っている人を治療すると早産の発生率を減少させることができるという事が分かったのです。これは本当に凄い報告でした。20001年の論文では何千人もの患者さんを調べた結果、もしも歯周病に罹っていると罹っていない時に比べて早産する可能性が8倍高いという報告でした。2003年と2004年には他の調査も行われました。その時は何割かの患者さんに歯周病の治療が行われました。そして分かったのは歯周病を治療することで早産を50%以上減少できたという事です。その後の追跡調査も世界中で行われています。
      日本でも低体重児と歯周病の研究が行われています。
      低体重児が生まれてくる理由は様々です。その様々の原因の一つに母親の歯周病があると考えられています。 歯周病と低体重児出産の関係についてアプローチしています。
      歯周病と産科を繋ぐ重大な我々の関心事は早産ですが、37週以上の低体重児とういうのはどんどん増えてきて、今日本でも年間100何万かの出産のうち11%位です。ところがその周産期医療が進歩したために早産のうち20%が妊娠中毒症で、医療的介入(このまま赤ちゃんを入れておくと赤ちゃんが駄目になるなど)が20%あります。一番多いのは早産の50%を占める絨毛羊膜炎という子宮の感染です。残りの20~30%が破水になります。どちらも子宮の感染です。ところが興味深いことに歯周病が起こっている人の病態と子宮の中に起こってくる感染の病態は似ているのです。そして歯の悪い人に早産が起こりやすいというエビデンス(科学的根拠)も揃い始めたので脚光を浴びてきているのです。

      それでは何故歯周病をもつお母さんが早産をする可能性が高いのでしょうか?

      歯周病に関わる7種類の歯周病菌というのが歯の根部に歯肉との間にプラークを作り生体と反応している間に生体がTNFとかIL1とか(共にサイトカインの一種)を作って血中に流れていきます。
      歯周病になるとそれを防ごうとして免疫機能が働きます。つまり歯周組織の中で歯周病菌と免疫機能との間で激しい戦いが行われるのです。免疫機能はサイトカインという物質を作り出して炎症を抑えようとします。そのサイトカインが歯ぐきの血管から体内に流れ込み子宮に到達して子宮を刺激して早期の出産を促してしまうのではないかと考えられているのです。これが歯周病で早産を引き起こすメカニズムです。
      最近では入院中の妊婦さんの歯周病対策をしています。一般的な健康な何の問題のないお母さんのお口の中と比べてみると妊婦さんのお口の中は炎症があり腫れている悪い状態であるのです。それが必ず早産に繋がるかというわけではありません。

      特に切迫早産(妊娠37週未満に分娩時の子宮収縮、頸管熟化などの分娩の兆候が認められない状態)の人についてです。そういう妊婦さんを対象とした歯周組織と健康状態の関係を調べてきました。すると歯周組織の健康状態の悪い患者さんは切迫早産をし低体重児が生まれる確率が約5倍高い事が分かりました。その上、口腔内を清潔することによって早産の率が低下することが分かりました。口腔内は歯周病に感染するとサイトカインが出てきます。出産の時にはプロスタグランジン(ホルモンのような働きをする物質。子宮筋に対して強い収縮作用をもつ)のような出産を促す物質が出ますが、サイトカインがそのような働きをしてしまい出産のメカニズムを早く進めてしまい、早産に繋がると考えられています。

  • 歯周病と心筋梗塞の関係を教えて。
    • 心筋梗塞とは何らかの異変によって心臓に血液を送る血管がつまりその筋肉が壊死し、最悪の場合命を失う恐ろしい病気です。
      主な原因は動脈硬化です。
      長年の喫煙、高カロリーの食事などによる生活習慣によって動脈硬化を起こします。
      最近の研究で明らかになったものですが、心筋梗塞になった人の死因となった血管の中から驚く物が発見されました。
      何とそれは歯周病菌です!しかし何故口の中の細菌が心臓の血管に潜んでいたのでしょうか?

      歯周病とは歯と歯ぐきの間にある溝、歯周ポケットで歯周病菌が繁殖、歯ぐきに炎症が起きる病です。日本人の約7割が患っている国民病の一つです。
      昨年11月に発表されたアメリカの論文で重度の歯周病を患っていると心筋梗塞になるリスクが高まるという衝撃的なことが発表されました。一体どうしてなのでしょうか。そこには歯周病菌の驚くべき働きが関係しているのでした。
      歯磨き不足などがきっかけとなり歯周ポケットに歯周病菌が溜まり始めます。その毒素で歯ぐきが破壊され歯周ポケットが徐々に深くなり出血を伴うようになります。さらにこの状態を放置すると口臭が発生するなどの症状となって現れます。ここまで進行すると歯周病菌の一部はリンパ管を経て何と血管の中に侵入してしまうのです。もちろん血管に入った歯周病菌の大部分は白血球によって退治されます。ところが一部の歯周病菌は白血球から逃れられる性質を持っているのです。その性質とはなんと血小板に入り込むというものです(これは日本人が発見しました)。しかも歯周病菌が血管の中に入り込むと血小板は異常を起こし互いに集まり固まりやすくなるのです。つまり歯周病菌が入ることで血小板は簡単に血栓を作ってしまうのです。長年、歯周病を放置するとこの歯周病菌が入り込んだ血小板が体内で増加し全身の血管をめぐり最後に流れ着いた場所が、心臓だったのです。そして長年の生活習慣から動脈硬化が起こっていた場所に血栓となって次々と付着し血管を完全に塞ぎ心筋梗塞を引き起こしてしまったと考えられます。
      多くの人々は毎日歯を磨いています。そして年齢を重ねると歯周病や口臭を予防するために気を付けて磨いているはずなのに・・・。
      何故、歯周病になってしまうのでしょうか?
      歯周病菌は歯周ポケットが浅いうちは歯磨きでかき出せますが、歯周ポケットが深くなると歯ブラシが届かなくなってしまいます。つまり歯周病が悪化したら専門医の治療なしでは治らないのです。だからこそ口臭や歯ぐきの出血に気付いたら迷わず歯科医院を受診し治療を受けることが大切です。
      あなたは歯を磨くと歯ぐきから血がでませんか?口臭がひどいと指摘されたことはありませんか。歯周病は口の中だけの病気と思い込んでいませんか?

      歯周病は2㎜以内であれば健康な状態です。これが3㎜になると歯周ポケットの中で菌が増殖し炎症を起こしている状態、つまり初期の歯周病になっていると診断されます。
      さらに深さが5㎜を超えると中程度の歯周病と診断されます。そしてこの段階になると増えた菌がリンパ管から血液に流れ込み血栓を作り始める危険性があるのです。

  • 歯周病と糖尿病について教えてください。
    • 糖尿病とは

      糖尿病とは何らかの原因によって血液中の糖分をエネルギーに変えるインシュリンという物質の働きが低下血液中に糖分が溢れてしまう病です。現在、日本での患者数は予備軍を含めると1600万人以上いる国民病の一つです。主な原因として考えられているのは、高カロリーの食事や運動不足による肥満などです。
      歯周病は糖尿病を悪化させることが近年の研究で明らかになってきました。それだけではありません。糖尿病が悪化すると歯周病も悪化させてしまうのです。

      頻尿や喉の渇きや足がつるや倦怠感は糖尿病の症状です。食べ物が歯に挟まる、歯ぐきからの出血というのは歯周病の症状です。この二つの病はお互いを悪化させていくという恐怖のスパイラルを作るのです。ではいったい何故お互いを悪化させてしまうのでしょうか?歯周ポケットに歯周病菌が溜まってしまうと免疫細胞である白血球が菌を退治しに集まってきます。この時白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることである物質を放出するのです。この物質こそTNF―αと呼ばれる物質です。そしてこのTNF―αには何と血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用があるのです。つまり歯周病でTNF―αを多く放出している場合、インスリンの働きが低下し糖尿病が一気に進行してしまうことがあります。そして糖尿病が進行すると当然、血糖値が高くなります。そうなると今度は歯ぐきの毛細血管の血流が悪化、血液が行き渡らず歯周病菌を退治できなくなってしますのです。こうして歯周病による歯ぐきの炎症が悪化するつれて、さらにTNF―αが多く放出され糖尿病もますます悪化、この悪循環を繰り返しついにはわずか半年で重度の糖尿病で倒れてしまうのです。

  • 歯周病と骨粗鬆症の関係は?
    • 骨粗鬆症とは

      骨粗鬆症は、最近、大きな問題となっています。
      特に女性にとっては年齢を重ねるにしたがって気になる問題です。私達は骨粗鬆症は歯周病や歯の喪失に影響を与える可能性のある事を知っています。
      長年の研究を通じて骨粗鬆症は、骨が破壊されていく病気だと考えていました。口の中には骨がありその骨が薄く脆くなる事に、女性の場合は口腔内の感染に関わる病気が増加すると当時は考えていました。この研究で分かったことは、やはりそこに関連性があるということでした。特に骨粗鬆症の傾向が最も強高い高齢の女性は、口の中の骨の量も減り歯を失う傾向にありました。

      私達の研究によると、大腿骨や背骨などの骨の量が少ない方は、おそらく口の中の骨の量も少ないと考えられるのです。つまりそれは歯周病のリスクを高めていると言うことになるのです。
      骨粗鬆症とは、骨の密度が少なくなる病気で症状が進むと骨の中がスカスカになってしまいます。この症状は年齢と共に進行すると言われています。特に女性の場合は閉経後にその進行が著しく、男性と比べても大きな骨密度の減少を示します。この原因は女性ホルモンの減少と関連すると考えられています。

      骨密度とホルモン

      骨密度がホルモンの影響を強く受けることは分かっています。女性はエストロゲンが多ければ多いほど骨密度が上がります。そして口の中の健康にも影響を与えていることが分かっています。勿論、歯を支える顎の骨にも影響を与えますし口腔内の炎症や歯肉炎などが起こる可能性もあります。そして女性の場合妊娠している時あるいは歳を取るにつれて歯を失う可能性が高まります。
      こういったことはすべてホルモンの減少に関係していると考えられています。骨の量や密度が大変少なく、そして歯肉に感染を受け歯周病にかかっているとそういった情報が体内で伝達されて、骨粗鬆症をもっている女性の場合普通の骨密度を持っている女性に比べてその骨の喪失がより早くなるのかもしれません。

      歯周病は骨の病気

      歯周病というのは歯ぐきの病気ではないのです。歯周病というのは本質的には骨の病気なのです。骨粗鬆症も骨の病気ですから両方がなんらかの関係があるのではないかと考えるのは自然のことです。その根拠をたくさんの人達が研究しているのです。現地点では関係がありそうだという段階であります。

      骨粗鬆症と歯周病の関係

      これまで骨粗鬆症と歯周病の関係は、骨粗鬆症状態にある人は普通の人に比べて歯周病が悪化しやすいという考えられていました。しかし最近では歯周病を治療すると、骨粗鬆症の状態が改善するという症例もみられるようになりました。歯の治療のために撮影したレントゲンから骨粗鬆症を診断できるようにもなってきています(研究段階です)。
      骨粗鬆症治療に伴う顎骨および歯周組織の変化、影響に関しての研究が進んでいます。歯科治療の段階で骨粗鬆症の兆候を発見することができるということはとても有意義なことです。
      骨粗鬆症と歯周病の関係は、今後の研究に期待がよせられています。

  • 歯周病と肺炎の関係を教えてください。
    • 口の中の健康状態と深刻な呼吸器感染症との間には大変深い関連性があります。
      この関連性について長く研究されてきました。およそ20年前から研究はされてきました。集中治療室に入院している患者と歯科医院の外来の患者の口の中を比較しました。歯の周りにいる細菌、特に肺炎を引き起こす細菌について調査をする事が目的でした。調査の結果、ICUの約6割の歯の周りにこれらの細菌が住みついていました。
      しかし歯科医院の患者には一人も肺炎を引き起こす細菌はいませんでした。そこで私達は入院患者や高齢者福祉施設の患者は口内が細菌に起こされやすい傾向があり肺炎になるリスクが高くなるのではと考え始めたわけです。

      歯周病を引き起こす、あるいはそれに関連する細菌は、歯周病の患者の口の中に数多く存在しています。そのような人々は、口の中の細菌を肺に吸い込む可能性が高いといえるかもしれません。特に高齢の患者、中でも物を飲み込むことに障害を持つ患者がこれに当てはまります。これは嚥下障害と呼ばれる状態で、年をとるに連れてよく起こるようになりますが、この嚥下障害を持つ人で、歯周病にかかっている人は口からの細菌を吸い込み肺に入る危険性がより高くなると言えるでしょう。これらの細菌が肺の深刻な感染病の原因になるのです。

      食べ物などが食道に入らず気管に入り込むことを誤嚥と言います。歯周病でさらに嚥下障害があると、誤嚥を引き起こした時に肺に歯周病菌が入り込み、それが原因となって肺炎を引き起こすと考えられています。これを誤嚥性肺炎と言います。特に人工呼吸器を使っている患者さんは誤嚥性肺炎を引き起こしやすいのです。呼吸を助けるため口から気道にかけてチューブを取り付けていますが、このチューブによって歯からの細菌はかなり肺に入りやすくなります。
      口腔からの感染を抑えること、と言うより口腔の汚染をなくすことです。そこでクロルヘキシジンという抗菌剤を使用することで結果的には肺炎を減少させることが出来ます。
      口の中の衛生状態を改善できれば、病院や高齢者福祉施設で肺炎リスクを低減できることはすでに分かっています。実はこのような結論の多くは日本での研究によるものです。
      寝たきりの患者さんや老人が誤嚥性肺炎を起こしやすいのです。
      単に歯の病気を防ぐためだけでなく、体全体の健康のためにも口の中を綺麗に保つことが重要であるのです。呼吸器の入り口は口なのです。

      アメリカでは1990年代にフロスオアダイ(floss or die)(フロスで歯を綺麗にするか死を選ぶか?)という歯周病予防のキャンペーンスローガンです。
      口腔内を清潔にすれば死亡率も下がる事が分かっているのです。

  • 歯石の害は?
    • 歯に付着した虫歯や歯周病菌の塊である歯垢が、唾液のカルシウムによって石灰化しものが歯石です。歯石は歯ブラシでは取れないため頑固に歯に付着し続け、歯槽膿漏を悪化させます。

  • 歯槽膿漏とは?
    • 歯垢は細菌の塊です。この中には虫歯菌と共に歯周病菌も含まれています。これら細菌の持つ毒素によって、歯の周囲の歯茎や歯の根を支える骨(歯槽骨)が炎症を起こし破壊されていく病気、それが歯槽膿漏です。

  • 歯周病になったことを自分でわかりますか?
    • 初期の歯肉炎では自覚症状がほとんどありません。歯周病がある程度進行してようやく症状が出てきます。進行につれ歯茎からの出血、口臭が、歯茎の腫れ、硬いものがかめない、歯がぐらつくなどの症状がでてきます。定期検診で早期発見が大切です。

  • 煙草を吸うと、歯周病にかかり易いというのは本当?
    • 歯肉(歯ぐき)は、手足で言うところの皮膚と同様、体内への細菌の侵入を防ぐ役割を果たしています。喫煙すると、歯肉(歯ぐき)の毛細血管が収縮しますので血液の循環が悪くなり、その分細菌に対する抵抗力が弱まります。この間に細菌は、普段より容易に歯と歯ぐきの間に入り込み、歯ぐきに炎症を起こしたり、歯を支えている骨を溶かしたりします。
      このような理由から、喫煙は歯周病になると言われていますが、歯周病だけでなく、歯を抜いた後の傷や人工歯根(インプラント)を植えた後の傷の治りも悪くします。

  • 歯肉(歯ぐき)はどうしてやせるの?
    • 「歯ぐきが痩せた」と言う言葉を耳にしますが、歯ぐきは、細菌の攻撃から歯槽骨(歯を支えている骨)を守るため、皮膚と同様、体内への細菌の侵入を防ぐ役割を果たしています。そして、厚みは薄く、腫れることは良くありますが、余り痩せたりしません。ですので、歯ぐきが痩せたというのは、歯を支えている骨(歯槽骨)が歯周炎(歯槽膿漏)によって溶けて(痩せて)、歯ぐきの位置が下がったということになります。
      また、別の意味での痩せるという表現として、歯ブラシの仕方等が原因で歯茎が削れた場合、歯茎が退縮したと表現することがあります。

  • 歯周ポケット、歯垢(プラーク)とは何ですか?
    • 歯垢(プラーク)とは、口の中に住んでいる菌の固まりです。お口の中の細菌が食べカスに群がり、食べもの中に含まれる糖を栄養として増殖し、ネバネバ物質を出して歯にまとわりつきます。これが歯垢(プラーク)です。

      歯茎は歯にくっついていますが、健康な歯茎でも生え際の部分に1ミリ~2ミリほども溝があります。歯と歯ぐきが病的にはがれて、その溝の深さが3ミリ以上になっているところを歯周ポケットと言います。

      歯に付着したバイ菌の塊である歯垢(プラーク)は、酸を発生させ歯を溶かして虫歯にすると同時に、歯茎にも炎症を起こさせます。歯と歯茎の溝に付着した歯垢(プラーク)によって歯茎が炎症を起こし(歯肉炎)、歯と歯茎が剥がされ歯周ポケットができるとポケットの中で菌がドンドン繁殖し、更には歯茎の下の骨などの組織まで破壊(歯周炎)していきます。菌の繁殖で歯周ポケットが深くなると、菌を退治することが難しくなり、歯周病歯槽膿漏)の進行をを抑えられなくなります。

  • 歯肉炎と歯周炎の違いは何?
    • 歯肉炎とはプラークが原因で歯茎のみが炎症を起こしている場合です。歯周炎とは歯肉炎が進行して歯肉や骨(歯槽骨:しそうこつ)まで炎症が波及している状態です。歯周炎はレントゲンで骨が溶けていることで判断でき、一般的には歯槽膿漏と呼ばれています。

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